公認会計士になるには?試験の難易度・勉強法から監査法人の実態、その後の転職先まで徹底網羅

目次

この記事のポイント

  • 圧倒的な難易度:合格率は例年10%前後。司法試験や医師国家試験と並ぶ難関資格
  • 膨大な勉強時間:合格までに必要な総勉強時間は平均3,500時間以上。継続的な努力が必須
  • 高水準の年収:監査法人勤務の場合、初任給で約550万円、10年目には1,000万円超えも可能
  • 安定と専門性:監査業務はAIに代替されない専門職。経済のインフラを支える重要な役割
  • 多様なキャリアパス:監査法人だけでなく、事業会社、コンサル、金融、独立開業など選択肢は多彩
  • 社会人からの挑戦も可能:働きながら合格する人も多数。正しい戦略が合格の鍵
  • 将来性は明るい:サステナビリティやM&Aなど、会計士が活躍するフィールドは拡大中

「公認会計士って、すごく難しい試験なんでしょう?」「合格しても、仕事が激務って聞くし…」

多くの人が、公認会計士という資格に対して、このようなイメージを抱いているかもしれません。結論から言えば、そのイメージは半分正しく、半分は誤解です。

公認会計士試験が「超」難関であることは事実です。合格率は毎年10%前後を推移し、合格者の平均勉強時間は3,500時間とも5,000時間とも言われています。毎日3時間勉強しても3年以上かかる計算です。生半可な覚悟で合格できる試験ではないことは、まず心に留めておく必要があります。

しかし、その高い壁の向こう側には、他の資格では得難いほどの魅力的で多様な未来が広がっています。企業の経営状態をチェックする「監査」という独占業務を担う専門家として、社会的な信頼は絶大です。大手監査法人に就職すれば、20代で年収600万円以上、30代で1,000万円を超えることも珍しくありません

そして、最大の魅力は、そのキャリアの多様性です。監査法人で経験を積んだ後、その専門知識を活かして事業会社のCFO(最高財務責任者)を目指す道、経営コンサルタントとして企業の課題解決に貢献する道、M&Aの専門家になる道、そして自らの会計事務所を立ち上げる「独立開業」という道など、文字通りあなたの選択次第でキャリアをデザインできます。

この記事では、そうした漠然としたイメージを、具体的なデータとリアルな情報で一つひとつ解き明かしていきます。読み終える頃には、あなたが公認会計士という道を選ぶべきかどうかの、明確な判断軸が手に入っているはずです。

なぜ今、公認会計士が求められるのか?社会における役割と将来性

  • 監査証明業務は公認会計士だけに認められた独占業務
  • 資本主義経済の番人として社会インフラを支える重要な役割
  • AIに代替されない高度な専門的判断が求められる仕事
  • サステナビリティ・ESG、M&A、コンサルティング等活躍分野が拡大中

公認会計士の主な仕事は「監査」です。株式会社は、投資家から資金を集めて事業を行いますが、その会社の経営成績や財政状態が正しいかどうかを、投資家は簡単には知ることができません。そこで、独立した第三者の立場である公認会計士が、会社の作成した財務諸表(決算書)が適正であるかどうかをチェックし、お墨付きを与えるのです。これが「監査証明業務」であり、公認会計士だけに認められた独占業務です。

この監査があるからこそ、市場の投資家は安心して企業に投資でき、日本の経済は健全に回っています。公認会計士は、いわば「資本主義経済の番人」であり、社会のインフラを支える極めて重要な役割を担っているのです。

近年、AI技術の発展により「会計士の仕事はなくなる」という声も聞かれます。しかし、それは誤解です。単純な仕訳やデータ入力といった作業はAIに代替されるかもしれませんが、財務諸表の背後にあるビジネスの実態を理解し、経営者と対話し、不正の兆候を見抜くといった高度な専門的判断は、人間にしかできません。むしろ、AIを使いこなして監査を効率化・高度化していくことが、これからの会計士には求められます。

さらに、現代の会計士に求められる役割は、監査だけにとどまりません。

サステナビリティ・ESG情報開示

環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)に関する企業の取り組みが投資の重要な判断材料となる中、その情報の信頼性を保証する役割が期待されています。

M&A・組織再編

企業の合併や買収が活発化する中で、買収対象企業の価値を算定する「デューデリジェンス」業務などで専門性を発揮します。

コンサルティング

財務の専門知識を活かし、企業の経営戦略や業務改善に関するアドバイスを行う役割も増えています。

このように、公認会計士が活躍するフィールドは、社会の変化とともにますます広がっており、その将来性は非常に明るいと言えるでしょう。

【データで見る】公認会計士試験のリアルな難易度|合格率・勉強時間・偏差値

  • 合格率はわずか7~8%の超難関試験
  • 合格に必要な総勉強時間は3,500時間以上
  • 偏差値75以上、東大・京大の最難関学部レベル
  • 2年~4年の学習期間が必要

言葉で「難しい」と言うのは簡単ですが、公認会計士試験がどれほど難関なのか、客観的なデータで見ていきましょう。

合格率の推移

金融庁の公認会計士・監査審査会によると、近年の合格率は以下の通りです。

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年度願書提出者数(人)最終合格者数(人)合格率
2024年20,3471,5447.6%
2023年18,7891,4567.7%
2022年16,7011,3358.0%

ご覧の通り、合格率はわずか7~8%です。100人が受験して、最終的に合格できるのは7~8人という非常に狭き門であることが分かります。

合格者の平均年齢と学習期間

合格者の平均年齢は例年25歳前後ですが、合格者の年齢層は幅広く、大学生から社会人まで様々です。重要なのは学習期間です。一般的に、合格までに2年~4年を要する人が多いと言われています。

総勉強時間

合格に必要な総勉強時間は、一般的に3,500時間以上とされています。これは、他の難関資格と比較しても突出しています。

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資格名必要勉強時間
公認会計士約3,500時間以上
司法書士約3,000時間
税理士(5科目)約4,000時間
社会保険労務士約1,000時間

毎日3時間勉強しても約3.2年、毎日5時間勉強しても約2年かかる計算です。この膨大な勉強時間を、高いモチベーションを維持しながら継続することが、合格の絶対条件となります。

試験の偏差値

資格の難易度を大学入試の偏差値で例えることもあります。一概には言えませんが、公認会計士試験の難易度は、偏差値で75以上、大学で言えば東京大学や京都大学の最難関学部に匹敵すると言われることもあります。これは、単なる暗記力だけでなく、深い思考力と応用力が問われる試験であることの証左です。

これらのデータから、公認会計士試験は、合格するためには人生の一定期間を捧げる覚悟が必要な、真のトップレベルの試験であると言えるでしょう。

公認会計士試験の全体像|試験制度・科目・合格基準を徹底解説

  • 短答式試験(マークシート方式)と論文式試験(記述式)の2段階選抜方式
  • 短答式試験は年2回(12月、5月)、論文式試験は年1回(8月)実施
  • 短答式試験4科目、論文式試験5科目(実質6科目)を受験
  • 足切り制度があり、苦手科目を作らないことが重要

公認会計士試験は、「短答式試験(マークシート方式)」と「論文式試験(記述式)」の2段階選抜方式です。

試験のフロー

短答式試験(年2回:12月、5月)
これに合格しないと論文式試験に進めません。一度合格すると、その後2年間は短答式試験が免除されます。

論文式試験(年1回:8月)
短答式試験合格者のみが受験できます。この試験に合格すると、最終合格となります。

短答式試験

4科目をマークシート方式で受験します。

財務会計論(120分)
簿記 + 財務諸表論。計算力と理論の正確な理解が問われる最重要科目

管理会計論(60分)
原価計算など、企業の内部的な意思決定に役立つ会計知識。

監査論(60分)
公認会計士の独占業務である監査のルールや手続きに関する理論。

企業法(60分)
会社法を中心とした、企業の活動に関する法律知識。

合格基準:総点数の70%が基準ですが、実際には受験者のレベルに応じて調整され、総点数の60%前後が合格ラインになることが多いです。ただし、1科目でも満点の40%に満たない科目があると、不合格(足切り)となるため、苦手科目を作らないことが重要です。

論文式試験

5科目(会計学は2科目に分かれるため実質6科目)を3日間にわたって記述式で受験します。

必須科目

会計学(財務会計論・管理会計論)
短答式よりさらに深い計算力、応用力、記述力が問われます。

監査論
実務を想定した事例問題などが出題されます。

企業法
条文の理解に基づいた論述力が求められます。

租税法
法人税、所得税、消費税などの主要な税金に関する計算と理論。

選択科目(いずれか1つを選択)
経営学・経済学・民法・統計学

合格基準:偏差値方式が採用されており、52.0が合格基準です。これは、全受験者の上位約35%前後に入れば合格できることを意味します。短答式と同様に、足切り制度があります。

この試験制度のポイントは、短答式と論文式で問われる能力が異なる点です。短答式では「広く、速く、正確に」知識をアウトプットする能力が、論文式では「深く、論理的に」思考し、それを文章で表現する能力が求められます。

【科目別】短答式・論文式試験の具体的な勉強法と攻略のコツ

  • 財務会計論は全勉強時間の4~5割を費やす最重要科目
  • 管理会計論は解法の「型」をストックすることが重要
  • 監査論は暗記よりも理解が重要
  • 企業法は条文の素読習慣をつけることが合格の鍵
  • 租税法は法人税の計算構造の完璧なマスターが最優先

膨大な試験範囲を効率的に学習するためには、科目ごとの特性を理解し、戦略的にアプローチすることが不可欠です。

財務会計論(計算・理論)

最重要科目であり、学習の中心。全勉強時間のうち、4~5割をこの科目に費やすくらいの覚悟が必要です。

計算(簿記):とにかく手を動かすことが全てです。予備校のテキストや問題集を最低でも3周は繰り返し解き、どの論点が出ても反射的に仕訳が切れるレベルを目指します。特に、連結会計、事業分離、キャッシュ・フロー計算書は合否を分ける重要論点です。

理論(財務諸表論):計算と理論は車の両輪です。なぜそのように計算するのか、背景にある会計基準の考え方を理解することが重要です。計算問題を解いた後に、必ず理論のテキストに戻って関連箇所を確認する習慣をつけましょう。

管理会計論

得意な人と苦手な人がはっきり分かれる科目。パズルのような問題が多く、数学的センスが問われる側面もあります。

攻略のコツ:まずは原価計算の基本的なフレームワーク(実際原価計算、標準原価計算、直接原価計算など)を完璧に理解すること。その上で、様々な問題に触れ、解法の「型」をストックしていくことが有効です。本番では時間との勝負になるため、瞬時に解法を判断するトレーニングが欠かせません。

監査論

暗記科目と思われがちですが、実は理解が重要。監査基準の背景にある「なぜ、そのような手続きが必要なのか」という目的を理解すると、記憶に定着しやすくなります。

学習法:テキストの通読と並行して、短文の問題集を繰り返し解き、キーワードを正確に覚えることが短答式対策の基本です。論文式では、監査手続の流れを体系的に説明できるように、全体像を意識しながら学習することが重要になります。

企業法

条文の理解が全ての科目。予備校のテキストだけでなく、六法を常に横に置き、条文を素読する習慣をつけましょう。

学習法:会社設立、株式、機関、資金調達といった重要テーマごとに、関連する条文をセットで押さえていくのが効率的です。論文式では、具体的な事例に対してどの条文が適用され、どのような結論になるのかを論理的に説明する力が求められます。

租税法(論文式)

計算量が非常に多く、複雑な科目。法人税、所得税、消費税の3つの税法をマスターする必要があります。

攻略のコツ:まずは法人税の計算構造を完璧にマスターすることが最優先です。別表四・五の仕組みを理解することが全ての基礎となります。理論は、計算の根拠となる条文や趣旨を簡潔に記述できるように準備しておくことが重要です。

独学は可能?予備校は必要?合格者の学習スタイル分析

  • 合格者の95%以上が資格予備校を利用している
  • 予備校費用は約70万円~80万円が相場
  • 独学での合格は極めて困難だが不可能ではない
  • 効率的なカリキュラムと質の高い講師陣が予備校の大きな利点

「これだけ難しい試験なら、予備校に通わないと無理なのでは?」と考えるのは自然なことです。

結論から言うと、公認会計士試験の独学での合格は、不可能ではありませんが、極めて困難です。実際に、合格者の95%以上が何らかの形で資格予備校を利用しているというデータもあります。

予備校を利用するメリット

効率的なカリキュラム:長年のノウハウに基づき、合格に必要な情報が凝縮されたカリキュラムと教材が提供されます。

質の高い講師陣:試験を熟知したプロの講師から、分かりやすい講義を受けられます。

学習ペースの維持:決まった時間に講義があるため、学習のペースメーカーになります。

豊富な情報とサポート:最新の試験情報の入手や、質問・相談ができる環境は、独学にはない大きな利点です。

切磋琢磨できる仲間:同じ目標を持つ仲間と競い合い、励まし合うことで、モチベーションを維持しやすくなります。

予備校の費用

予備校の費用は、コースにもよりますが、約70万円~80万円が相場です。決して安い金額ではありませんが、合格後のリターンを考えれば、自己投資として十分に価値があると言えるでしょう。

独学が向いているケース

すでに関連知識(簿記1級など)が豊富にある。極めて高い自己管理能力と情報収集能力がある。費用をどうしても捻出できない。

もし独学を選ぶ場合は、市販の教材を徹底的にやり込む覚悟と、SNSやブログなどで積極的に情報を収集し、学習仲間を見つける努力が必要です。しかし、多くの人にとっては、予備校という「合格への最短ルート」を選択することが、結果的に時間的にも経済的にも最も合理的な判断となるでしょう。

監査法人とは?BIG4を徹底比較|組織構造と業務内容のリアル

  • BIG4と呼ばれる4つの大手監査法人が業界の大部分を占める
  • 繁忙期(4月~5月)は非常に忙しく、閑散期は比較的落ち着いている
  • 若いうちから日本を代表する大企業の経営の中枢に触れることができる
  • チームで監査業務を行い、財務・会計のプロフェッショナルとして急成長できる環境

試験に合格すると、ほとんどの人がまず「監査法人」に就職します。監査法人とは、公認会計士が集まって、企業の監査を組織的に行う法人のことです。

特に、世界的な会計事務所のメンバーファームである以下の4つの法人は「BIG4」と呼ばれ、日本の監査業界の大部分を占めています。

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法人名特徴クライアントの傾向
有限責任 あずさ監査法人人員数最大。穏やかで協調性を重んじるカルチャー。製造業に強い。トヨタ自動車、任天堂など
有限責任監査法人トーマツ体育会系でエネルギッシュなカルチャー。金融、IT、ベンチャー支援に強い。三菱UFJ、ソフトバンクグループなど
EY新日本有限責任監査法人グローバル志向が強く、多様性を尊重するカルチャー。国際案件に強い。日立製作所、ソニーグループなど
PwCあらた有限責任監査法人少人数精鋭でプロフェッショナル意識が高い。外資系企業や金融に強い。イオン、富士通など

業務内容のリアル

監査法人での仕事は、チームで行います。クライアント企業(被監査会社)に数名~数十名のチームで訪問し、帳簿や資料をチェックしたり、担当者にヒアリングしたりして、財務諸表が適正かどうかを検証していきます。

繁忙期(4月~5月):3月決算の会社の監査が集中するため、非常に忙しくなります。深夜までの残業や休日出勤が必要になることもあります

閑散期(夏~秋):比較的落ち着いており、長期休暇を取得しやすい時期です。この時期に研修を受けたり、次の繁忙期に向けた準備を行います。

仕事は決して楽ではありませんが、若いうちから日本を代表する大企業の経営の中枢に触れることができ、財務・会計のプロフェッショナルとして急成長できる環境であることは間違いありません。

【階級別】監査法人でのキャリアパスとリアルな年収推移

  • スタッフ(1-4年目):年収550万円~750万円
  • シニアスタッフ(5-8年目):年収800万円~1,000万円
  • マネージャー(9年目~):年収1,000万円~1,300万円
  • パートナー(社員):年収1,500万円~数千万円

監査法人には、明確なキャリアパス(階級)が存在します。階級が上がるごとに、役割と責任、そして年収も大きく変わっていきます。

スタッフ(1年目~4年目)

役割:チームのメンバーとして、先輩の指示のもとで具体的な監査手続(現金預金の残高確認、売掛金のチェックなど)を担当します。

年収目安:550万円~750万円

この時期に学ぶこと:監査の実務を一から学び、会計士としての基礎体力をつける最も重要な時期です。

シニアスタッフ(5年目~8年目)

役割:現場のリーダーとして、数名のスタッフをまとめ、監査計画の立案やクライアントとの交渉など、より責任のある業務を担います。

年収目安:800万円~1,000万円

この時期に学ぶこと:マネジメント能力やコミュニケーション能力が求められます。多くの人がこの時期に、将来のキャリアについて考え始めます。

マネージャー(9年目~)

役割:監査チーム全体の責任者として、監査計画の承認、監査意見の形成、クライアントの役員との折衝など、高度な判断を行います。

年収目安:1,000万円~1,300万円

この時期に求められること:高い専門性に加え、チームを率いるリーダーシップ、クライアントとの強固な信頼関係を築く力が不可欠です。

シニアマネージャー

役割:複数の監査チームを統括する役割です。

年収目安:1,300万円~

パートナー(社員)

役割:監査法人の共同経営者であり、監査報告書にサインをする最終責任者です。新規クライアントの獲得など、法人の経営にも責任を負います。

年収目安:1,500万円~数千万円

このポジションに就けるのは:全会計士の中でも一握りの存在です。

このように、監査法人では実力次第で着実にステップアップし、高い報酬を得ることが可能です。

監査法人のその先へ|多様化するセカンドキャリアの選択肢(転職・独立)

  • 事業会社:経理・財務、経営企画、CFO等のポジションで活躍
  • コンサルティングファーム:戦略系、財務系(FAS)、IT系で高給与と専門性を発揮
  • 金融業界:投資銀行、証券会社、ファンドマネージャー等で投資のプロに
  • 独立開業:税務顧問、会計コンサルティングで自由な働き方を実現
  • ベンチャー企業CFO:IPO準備、資金調達等エキサイティングなポジション

監査法人で数年間経験を積んだ会計士の多くは、その先のキャリアとして新たな道を選択します。監査法人での経験は、様々なキャリアへの「プラチナチケット」となり得ます。

事業会社

ポジション:経理・財務、経営企画、内部監査など。

魅力:当事者として企業の成長に直接貢献できるやりがいがあります。ワークライフバランスを改善したいという理由で転職する人も多いです。将来的にはCFO(最高財務責任者)を目指すキャリアパスもあります。

コンサルティングファーム

種類:戦略系、財務系(FAS)、IT系など。

魅力:監査法人よりもさらに高い給与水準と、企業の経営課題の解決に直接携わるダイナミックな仕事が魅力です。M&Aのアドバイザリー業務や企業再生など、専門性を活かせるフィールドは多岐にわたります。

金融業界

ポジション:投資銀行、証券会社のアナリスト、ファンドマネージャー、ベンチャーキャピタルなど。

魅力:財務分析能力を活かして、投資のプロフェッショナルとして活躍できます。成果主義の世界であり、実力次第では20代、30代で数千万円の年収を得ることも可能です。

独立開業

業務内容:税務顧問、会計コンサルティング、記帳代行など。

魅力:自分の裁量で仕事ができ、時間や場所に縛られない働き方が可能です。顧客を開拓し、事務所を軌道に乗せるまでには困難も伴いますが、成功すれば大きな収入と自由を手に入れることができます。

ベンチャー企業のCFO

役割:成長段階にあるベンチャー企業の財務戦略、資金調達、IPO(株式公開)準備などを一手に担います。

魅力:企業の成長をダイレクトに感じられる、非常にエキサイティングなポジションです。ストックオプションなど、成功した際の金銭的リターンも大きいのが特徴です。

どの道を選ぶにせよ、監査法人で培った「数字を読み解く力」「論理的思考力」「高い倫理観」は、あらゆるビジネスシーンで通用する強力な武器となるでしょう。

まとめ:公認会計士というキャリアを選択するための最終チェックリスト

ここまで、公認会計士試験の難易度から、その先のキャリアまでを詳しく見てきました。最後に、あなたがこの挑戦的な道に進むべきかどうかを判断するためのチェックリストを用意しました。

  • 3,500時間以上という膨大な勉強時間を、2~4年間にわたって捧げる覚悟があるか?
  • 論理的に物事を考え、数字を扱うことに抵抗がないか?
  • 高い倫理観を持ち、社会のインフラを支える仕事に魅力を感じるか?
  • 高いプレッシャーの中で、チームとして成果を出すことにやりがいを感じられるか?
  • 安定した高収入と、専門性を武器にした多様なキャリアパスに魅力を感じるか?
  • 知的好奇心が旺盛で、合格後も常に学び続ける姿勢があるか?

もし、これらの質問の多くに「Yes」と答えられるなら、あなたには公認会計士というキャリアに挑戦する価値が十分にあります。

公認会計士への道は、決して平坦ではありません。しかし、その先には、計り知れないほどの達成感と、自らの手で未来を切り拓くことのできる、無限の可能性が広がっています。この記事が、あなたの挑戦を後押しする一助となれば幸いです。

公認会計士試験は超難関ですが、その分、合格した時の価値は計り知れません。今日からでも遅くはありません。まずは簿記の基礎から始めて、この魅力的なキャリアへの第一歩を踏み出してみませんか。

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この記事を書いた人

派遣会社社員として20年の経験を持ち、数多くの転職・キャリア支援を担当。派遣エージェントとして全国の拠点を回り、地域ごとの特色や企業のニーズを熟知。求職者一人ひとりに寄り添い、最適なキャリアの選択をサポートする転職スペシャリスト。

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